琳派特集
大琳派展、が東京国立博物館、略してトーハクで行われているが、それにあわせてか、CasaとBrutusで琳派特集が組まれている。
送られてくる美術雑誌だけでも読み切れないので、少し見て見ぬふりしていたが、Brutusは買って読んでみました。
橋本治が、一番エライのは俵宗達だ、会田誠が、宗達は指の太いヒトだった気がする、としゃべっているのを読んで、わかってるな、この人たち、と思ってチョット嬉しくなる。
美術ウォッチ歴で言ったら、短いかもしれない私が「わかってるな」という言い方もナンですが。
それはともかく、風神雷神図屏風でも、宗達、光琳、などのバージョンがあるが、やはり宗達の線には野太さがあり、がつんとした手応えがある。琳派、という言葉とウラハラにあるヒヨワさのようなものが、ない。大津絵にも通じるようないい加減な図太さ、工芸の強さ、のようなものがある。
会田誠、「無気力」や「エログロ」で知られるけど、琳派の事も、人一倍真剣に研究して、現代に生かすところのリアリティをよく考えていることが伝わってきて好感を持つ。古画を引用するところの「ずるさ」をちゃんと自覚しているところもエライ。平山に抵抗があり、加山を尊敬している、という所も共感する。次はどの手で来るのか、楽しみなヒトである。
琳派、は実は日本美術、日本画の潮流の原点になっている。装飾的な芸風で知られる画家はすべて、強引に言えばこの琳派の流れに属している。であるがゆえに、自分が何をやろうとしているのか、ある種の批評性がいるのだと思う。あるいは遊び心。北斎や広重が偉かったのは、自分の立ち位置に対しての批評性があるからじゃないか。
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