ポーポリ、トーポリ
モスクワアートフェアは午後2時から始まる。遅い。モスクワの朝は遅いのだ。
朝起きて街に出ると、雪が降っていた。
雪、としか思えないが、雨雲はない。積もってもいない。降り始めの雪のようだ。
さすがロシア、6月というのに雪?でも奇妙だ。どこから降るというのか。
「ポーポリです。」
同行の桑田が言う。いや、そう聞こえたのだ。後で調べたら「トーポリ」であった。彼女もそう言ったのであろう。
けれどもこの綿毛のかわいい白いモノは、Pで始まる音の相応しいものに見えた。
「毎年、この季節になると降るんですよね、ポーポリ。ポプラの木から。木の種のようなものなんですけど。」
ポーポリ、ポプラは僕の「聞きまつがい」で、「トーポリ」が正しいのかと思っていたら、ポプラを、トーポリとロシアでは呼ぶらしい。。桑田は、ポプラからトーポリが降る、と言っていたと思うのだが、事実は、両方とも同じ意味であろう。
で、そのトーポリ、本当に雪としか思えない量で空から降ってくる。地面に吹きだまりを作る。
ひとつ手に取ってみた。
はかない、目に見えるかギリギリの綿毛である。
降っている様子は写真にはうつりにくい。
これを見て、思ったこと。やっぱり来て見なきゃあ、わからない。
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