勝間和代と佐藤優
最近、勝間和代という人に嵌っている。数ヶ月前から書店でタイトルをよく見かけたのだが、よくあるマーケティング戦略でベストセラーに持って行こうとしている本だな(「さおだけ」みたいに)、まあイイヤと思って、スルーしていたのだが、雑誌に出ている(上記リンク参照)のを読み、案外面白いかもと思ってアマゾンで一気に買ってしまった。
率直に言って、いくつかの本に内容の重複があるものの、かたときも時間を無駄にしないための仕事と生活のテクニックの本気ぶりはとても参考になった。で、彼女の勉強テクニックとしておすすめのMP3でテープを聴くのを実践するべく、早速いつも購入していても十分活用していなかった、アルマックのオーディオセミナーCDをiPpodに移動して聞いている。すごくよい。歩いている時間に、とても刺激を受ける。よいのは教材もよいのだが、こうしたきっかけを与えてくれた筆者にも感謝。
で、よいといえば最近聞いた「天国体質・・(未読)」
天国体質になる!──仕事を楽しむ52の秘訣
で知られる「ツルちゃん」のテープもよかった。何より彼女の話しぶり、さわやかでとても心地よい。アパレルの店舗で人の20倍だったけ、とにかく売った、というのもとてもうなずける。彼女の示唆はいろいろあるのだけれど、「ウンがよい」と思える人と仕事しなさい、ということがその一つ。今彼女の本も読んでいる。彼女の運営するレジェンドホテルアンドトラスト、という会社も面白そう。
なんだかですねえ、夢を持って仕事をしている人がこうして次から次へと出てくる社会はいいなあ。僕の学生の頃は、みな大企業に入るか、貧乏なアートやら映画やら福祉やら、でなんとなく二者択一で夢がなかったと思う。ロバートキヨサキのおかげか神田昌典のおかげかわからないのだけど、本当にイキイキと夢を語り、実現できる社会になってきたような気がする。ホリエモンは夢を提示したにもかかわらず、虚業の烙印を押されて、人柱になった形だけど、彼もきっと復活してくるだろう。榊原英資さんらがいうように、堀江氏は、上場して得た資金をM&Aでむやみに使い、実業はなかった、という批判はもしかして当たっているかもしれないが、ある種の飛躍した発想を勉強して、実践しようとした行動力は大いに評価するべきだろう。ただ公式の席でスーツを着ないセンスは私も嫌いである。
で、勝間さんの本でチョット物足りなかったのは、やはり情報オタクっぽいテイストであり、都会の器用な秀才の誉れがあるものの、何かチト違うな、と思ったりもしたりする。とはいえ、僕は本来素直で単純なので、彼女の著書にあることはなるべくやってみようとして、自分用のノートPCとモバイル通信装置を見に行ったりしているのである。彼女が愛用しているらしい有楽町のビックカメラに。
けれども、昨日、尊敬するべき怪人、佐藤優の「野蛮人のテーブルマナー」を発見、これを本日読んで、ああ、勝間さんの本じゃ物足りない要素がここにある、と思ったものである。
僕にとっては
1.酒
2.ノート
3.オンナ、その他
の点について、勝間さんのテイストでは得られない情報取得方法を感じることができた。
1.酒は勝間さんは時間の無駄とノーミソへの無駄から、避けて通るべきというが(以前は飲まれていたようだが)、佐藤氏は恐ろしい酒豪で、人から情報をとる際の飲み方についても様々な技術を披露してくれる。
2.ノート 勝間さんはノートPCを持ち歩きなさいという。これもよいのだけど、自分の場合は、ノートを広げる、電源を入れる、(スリープから立ち上がるにせよ)、というプロセスがすでに思いついたメモを入れるのに不向きな気がする。第一、いくらレッツノートが軽いと思っても紙のノートよりは重い。ただでさえ僕のカバンは本でいっぱいなので、めちゃくちゃ重い。
佐藤氏は几帳面でないので、手帳でスケジュール、およびフツウのノートで記録をすませるそうである。あとは記憶術。ノーミソというハードディスクの性能を上げることで誰でも情報力が高まるという。人前でノートを開くことも憚られる諜報の現場での知恵なのだろう。
こっちの路線の方がぴったりくるかもしれない、と思う。両方試してみる価値はあるが。
3.オンナ 1.と同じようなテーマだけど、ブログなので整理しないで書いておく。佐藤氏は、情報源の性格を見抜くのに、お茶なら一年、オンナなら一晩、というセオリーがあると説く。アントニオ猪木によると、賭博につれていってもソイツの性格がわかるという。女性のいる酒場に連れて行かれると、その人の性格は確かにわかるというもの。ちなみに私はコチコチです。慣れないのですよね、キャバクラにクラブ。商売柄ときどき連れて行ってもらうのですが。でもそのうち慣れるでしょう。
ところで、2ちゃんねるか何か忘れたけど、勝間さんの本で、やたら自慢が多いのが気になるという意見があった。なるほど、そう感じる人がいるリスクがありますね。でも、自分の実績を強調することは時として必要だと思いますので、私は別に大いに自慢してかまわないと思う。ただ、本文の冒頭にたびたび同じ実績を上げるという手法は、ちょっと格好悪いかもしれない。プロフィールに載せる程度でもよかったかもね。
佐藤氏の本に収録されている国際ジャーナリストの河合洋一郎氏による解説に、
彼が国策捜査で捕まり、外務省の仕事ができなくなったのは、日本にとって大きな損失であったと思ったが、今の仕事ぶりを見ていると、これはかえって日本にとってよかったのかもしれない、次の時代の日本を作るために神がしくんだ筋書きかもしれない、
と書いてあり、なるほど大いに共感できた。本当にこれだけの頭脳と行動力を持つ野蛮な天才が日本人としていることは誇らしいことであり、彼が知見を本の形で出版してくれることは(その大量の著書のごく一部しか読んでないが)、非常に社会にとってプラスであると思う。たとえ誰かに「はめられ」ても、自分の力で浮かび上がってきた彼のパワーは、多くの人を勇気づけているかもしれない。なんらかの形で、日本と日本人が21世紀をサバイバルしていく上での実践的なリーダーとして、何かの具体的役割を果たしてもらえる日も来るのではないか。福田政権の終わった後にでも。
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