銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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歌舞伎ほか

   

中村勘三郎の歌舞伎を新橋演舞場に見に行った。お客様のお招きである。ありがたいことである。


三幕、全く別の出し物。勘三郎は松尾スズキの芝居で見ただけだが、伝統芸能の枠組みでももちろん生き生きしている。非常に娯楽と伝統を結びつけ丁寧にパッケージングしており、非常に巧みである。伝統だけに頼ってはいないので、おそらく今後観客層が代わっても対応していくことだろう。


お客様、ありがとうございました。


夜は、録画しておいたガイアの夜明け。沸騰する美術ビジネス、というような内容。ファンド的にやすいウチに絵を買うと、あがりまっせ、という世間の流れに注目している。


思ったより突っ込みが浅いような気がして、あーそうかという感じであるが、中国のゲンダイアートが90年代から欧米人に受けている、というハナシを再確認。いいわるいはともかく、その流れのできた理由は知りたいところである。


しかしなんでもそうだが、ヨノナカのごく一部が高値をおっかけている展開があるが、こうしてニュースになる頃には投資として考えるのなら遅いのではないか、ということは思う。ほしいモノがほしい、みながほしいものがほしい、というのはある意味自然なことだけれども。


小山さんがかなりとりあげられていたが、商売としては地道に自分の道を進んでこられて、高値で扱い作家が売れる今があるのであろう。奈良さんの絵が7000万円でござい、という世界はうらやましいと思ったが、やるべきことは自分の信ずる商材を信ずる方法で扱う、ということであろう。


現代アートに比べれば書画の世界はあまりに安い。円山応挙がいくら銘品が出たところで、億に達するモノは希である。それだけ値段が枯れていて、投資的に言えば長期で持つにはよいともいえるかもしれない。ほかの言い方をすれば、好きなら持てばよいし、興味がなければ手放せばよい、シンプルな世界でもある。毎月10%ずつ価値が上がる、なんてばかげたハナシは古美術にはない。おおぜいの投資家は集めないかもしれないが、そこが実はいいところかもしれない。

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