サイゾー、タブー、善悪
サイゾーという雑誌が、案外面白いと社員の本田君に聞いたので、最近時々買って読んでいます。
最新6月号の特集は「タブー破った禁断の書100冊」。
ここで「タブー」というのは、日本の大企業に対してマスコミが書けない「聖域」に挑んだ本なのだけど、城山三郎、佐藤優、高杉良、などの著書があげられていて滅法面白い。
これらの本が挑む相手は、皇室・電通・学会・全日空・新聞・銀行などなど。
つまり日常「健康」な顔をして私たちの前に見える企業群・社会組織の内幕を描く、フィクションとノンフィクションで、私も数冊は読んだことがあるけれど、自分の住む社会と人間の赤裸々な姿が見えて面白いです。
で、こういう本を紹介する切り口を持つ「サイゾー」という反マスコミ的なマスコミ(噂の真相ほどねちこくなく、週刊新潮ほど嫉妬深くなくてどこかバランス感覚のある)を、社会をもう一つの角度から見られる雑誌として面白い、と勧めてくれるわが社の本田君をたいしたものだと思ったり致します。就職を控えた若い人にも、このサイゾーおすすめ?のノンフィクション・フィクションを読んでもらいたいと思います。
ただ、ここでこうした内幕モノを読むと「どこもかしこもひどい企業、社会」と思ってしまいそうになるとしたら注意。といいますか私が若いときソウイウ「今のヨノナカゼンブダメ」という感じで思っていたので。そんなことはない。この世は陰と陽、悪と善、すべてバランスで成り立っていて、全面的な悪もいなければ善もいない。自分の心に手を当てて考えてみれば誰にでも自明なこと。
だからこれらの本を読んで、世の中の表層的な情報にだまされないようなリテラシー、真実を見抜く目を身につけることは大事だけど、同じくらい、世の中や人の心の「光」のようなものも見られなければならない。日常を曇りのない眼で見なければいけない。
で、昨日の「わ」の会の「美術鑑賞教育」につながるのだけど、絵を鑑賞することは、自分の中のヒカリと闇を見つめることでもある。絵だけでなくて、映画でも音楽でも文学でもいいのだけど、全部大事。
一方で、絵の感想とか趣味いうのは千差万別であるようで、弊社で注文を受ける絵も、いつもバラバラです。
つまり、人の心には闇と光があり、しかもその組み合わせの仕方は皆すべて違う。そのこを直感的に掴むことが大事。田原総一朗が、いまのマスコミはみーんな同じことしか言わない、くさっている、とよくサンデープロジェクトや雑誌で述べているけれども、ものの見方の多様性というものの大事さをわかる教育をこの国のシステムとして行ってこなかったこともその原因のひとつかもしれない。
ということで、芸術をもっと楽しみましょう、というまとめ方はあまりに綺麗すぎるかな。。。
それにしても昨日の「わ」の会がノーミソに与えた余韻が残っています。行って良かった。
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