上村松園 by木村伊兵衛
上村松園が写生しているのはちょっとわかりにくいですが、鳥だったかな、いや猫?
「序の舞」でも、まだ書生時代の松園が、古美術売り立ての会で必死に写生する様子が描写されますが、そのシーンを彷彿とさせる瞬間です。
もう大家になって年をとっても、しゃがんで膝や腰がいたくなるのも厭わず、何時間も座って一心に花や動物を写生しているのでしょう。子供のように。
ひとつの技に賭ける人の美しさと、切なさを感じさせる写真だと思います。ちなみに、美人画で大事なのは背景や小物です。あのアラーキーもヌードにどんな小物を使うかがキーポイントになると語っていますが、日本画も同じ。どれだけ小物に執着を持って美しく配置するかが命となります。だから花や動物の普段の訓練がとても大事なのでしょう。
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日常