日本画展
この展覧会で一番良かったのは、ロビーの、入場料を払わなくても見られる障子紙に書いた落書き漫画?でした、結果論としては。
日本x画展 、着眼も広報の仕方も面白いのですが、作品そのものは伝統的な日本画の力に拮抗しているものは残念ながら見あたらないと感じました。
しりあがり寿さんはとっても漫画大好きなんですけど(わしズムも週刊文春も読んでます)。この写真の漫画もとても微笑ましい。いつも「死」とか個人の「欲望」と、社会の「謎」みたいなものが皮肉っぽく、けれども優しく描かれる。ただ今回の展示自体はちょっと中途半端と感じました。はっきりいって尊敬しているのですけれども、ストーリーを外して見せる見せ方という「考え方」にはまってしまったんじゃないかと思うのですが、つまり考えすぎという気もするのですが、どうなんでしょう?
松井冬子さんは存在そのものが怖いなー、頭の中がホラー、という事でしょうか。「世界の子供たちと出会える」でしたか、何か悪意に満ちた構図(子供とベビーカーの迷い込む富士の花園にスズメバチの群れがいる)は、希望、という記号を呪っているようで恐ろしい。甲斐庄楠音とか観山とかの異形の造型に対するリスペクトとそれにもとづく技術は凄いですね。逆に言うと、古典のようにもっと抑制してもらう方が面白いのだけど。なんかこんなこというのはヤボなのかしら。現代の曾我蕭白なのであって、私が常識的すぎて受け容れられないのかしら。
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