夏目四郎さんお別れ会
昨日、都内のホテルで夏目美術店の社長であり、「新美術新聞」でコラムを連載されていた夏目四郎さんの「お別れ会」が開催されました。
実際に亡くなられたのは7月末であったので、感情的な波は落ち着いてからの「お別れ会」ではあったが、それにしてもとても残念なことで、私などはまだ初めてお会いしてからわずか2,3年でしかないが、それでも心にとても淋しいものを感じます。
何人かの方が弔辞で述べられていたように「気配り」のある「優しい笑顔」が本当に印象的な方で、主宰されていた交換会の気風を作っていたのは夏目さんだったと思う。
それにしても本当に大勢の方が来られていた。あまり名前を挙げるのは控えるとしても、日本美術界の重鎮と呼ばれる作家さんの多くがいらしていたほか、美術商は勿論、各界の方を含め数千人は来られていたのではないか。
「こんなに大勢の人が来ることはないだろうな、自分が死んでも、なんてつい考えちゃうね」と、会の帰りにつぶやいていたら、そばにいた人が「交換会をやるというのは気配りの仕事だから、おのずと大勢の人が来るんじゃないかね」とつぶやく。
きっとそうなのだと思うが、同時にそういう人柄だから「交換会」という仕事に引き寄せられ、一時代を作った、という風に見ることもできる。自分なら仕事を通してどのような自分を表現したいか。「自分探し」などというものはない、「本当の自分」などは存在しない、と村上龍が小説の中でも述べているのはその通りだと思うが、どのような自分になりたいか、あるいは自分をどのような人格と考えているか、というイメージは重要だと思う。たとえば「美術商」にもいろいろある。
※wikipediaに面白い記事を見つけました。ずばり「美術商」の項目。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%95%86
美術商は上記にもあるように、いろいろあるのだが、無限に分類できて、お客様をC、百貨店をD、業者をB、自分をSとして、CSB,BSC,CSC、BSB、BSD、CSD,その他「作家さん」そして、「交換会」や「オークション」などを含めると様々な取引の種類がありますが、結局どのようなタイプの美術商になるかは、その人の戦略、単なる成り行きなどもあるでしょうが、「どのようなタイプのコミニュケーションを好むか」によるところが大きいと思います。
デパート、作家、業者、マスコミ、あらゆる人とつきあう道を選んだ夏目さんはなんといってもコミュニケーションが好きで、得意な方だったのだろうと思います。
BSB,つまり業者だけの取引が主な方もいますが、こういう人は我が強く、お客様に腰を低くするのが嫌い、とか、行儀が悪い、ということもあるかもしれません。私はどのような道を行くのか。私はパーソナルなコミュニケーションを大きく拡げていくような道をいきたいと思っています。「交換会」的な道は行かないと思いますが、お客様にしろ、同業者にしろ、学者さんにせよ、その他のジャンルの方とも、信頼関係を深め、今までの人が持ち得なかったような信頼を得たい。まだまだ前哨戦ですが。
- PREV
- カタログ作ってマース
- NEXT
- とあるアフリカから来た人