弥生美術館、竹久夢二美術館など
(併設の喫茶店から前庭を望む。)
弥生美術館、竹久夢二美術館に行ってまいりました。私は商売としてのお付き合いはまだなのですが、父の前の会社では多少おつきあいがあったようです。
弥生美術館はもともと、この私設美術館の館長の鹿野さんが高畠華宵にほれて作ったもの。こじんまりして、受付の雰囲気などは、なんといいますか、学生街の小劇場のそれに近いかな。手作りのテイストです。
小さいながらも根津美術館よろしく日本庭園が本館前にしつらえられて、風情があります。
内藤ルネ、というキャラクターの図案もやった人の展覧会を開催中で、老若の女性が非常に多く、ちょっと私にはついていきにくい主題。しかし、着物を召した女性の方がちらほら見られ、あの夢二美術館に着物で行く、そして根津散歩、というのが下町歩きとして情緒を誘うのかと思われます。
なにか、辛酸なめ子みたいな口調になってきたな…。
竹久夢二美術館は、流石に名品が集めてありまして、見られるのは季節にあ合わせた作品。多分いいものが沢山かくされているので、時々行かないと。恋とロマンをそのまんま生きた夢二の生き方が伝わる展示になっています。そういえば鈴木清順の『夢二』という映画もあるが未見。未見なのは映画好きを自称する画商としてあるまじきことなので見なければとはたと思いました。現実から5センチ浮いたような夢二の世界は清順の世界にぴったりだもの、映画化されて当然ですよね。
どうでもいいけど、ここは東大の裏側、弥生門の前です。門から出てくるカップルがなんとなくアタマヨサソーに見える。人間の幻想というものはこういうところから出てきますね。それは兎も角、東大生の何パーセントがこの美術館の存在を知っているだろうか。たぶんほとんど知らないと思う。根津や上野公園、大観記念館も知らないだろう、と思います。あたまの硬い人の多い東大の人たちにもこの辺りの良さをアピールするといいのでは、と思います。人数も多いし。文化育成にあまり積極的でないこの国の政治にプラスの効果も見込めるかも。
帰りについでに旧岩崎邸庭園に寄って帰りました。こんな風に人がどしどし踏み入る館になったことは良かったことか悪かったのかわかりませんが、このお屋敷がこういう「公園」になっていることが、国がまるくおさまるひとつの方向、ということなのかもしれません。ただ、人が住むために作られた家だから、誰か住んでいる、という状態も素敵じゃないか、とは私は感じました。そうすると、こうして見ることも出来なのだけど。
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