ついでに田原さん
おとといあたりに、田原さんの本について触れているが、それでほっとしたことをひとつ。
田原総一朗は、奥様を近頃なくした。非常に愛情深い夫婦で、田原はいつも一番に奥様の原稿を見せ、あるいはテレビを見せて、意見を聞いたという。歯に衣着せず、奥様は批評して、田原はそのことに生きがいを感じていたという。
その奥様が亡くなって、田原が元気がなくなったらどうしよう、日本の閉塞したマスコミ状況に風穴を開ける人がいなくなる、という危機感を持っていたが、奥さんが亡くなって、ますます俄然やる気が沸いてきた、と「オフレコ!」のナベツネインタビューで語っていた。
よかった。
田原さんは、(敬称ついたりとれたりで失礼)、日常、彼の住んでいるマンションで会うと、いつも疲れきって幽霊のようだという(これは同じマンションの住人に聞いた話)。仕事に全力投球はいいのだけど、これで支える人がいなくなったら大丈夫なのか、と思っていた。
大手新聞社にしても週刊誌にしても、批判はしても、建設的な意見など出ないオール無責任体制の報道の中で、ともかくも、じゃあどうすればいいのだ、というテーマですすめようとするジャーナリストは彼ぐらいしかしらない。(知っていたら教えてね)。ウワシンは面白かったみたいだが(僕はたまにしか読まなかった)、やっぱり第三者的、無責任サヨク的、ゴールデン街的反体制主義が、時代遅れといいますが限界だったと思う。
田原をほめ過ぎるとよくないのかもしれないが、実際的に建設的に何かを考えようという啓蒙的役割を演じているという意味ではほかにいない人。
彼はそれでもいつかいなくなる。あとを継ぐ人がいないのが心配。自分がやれればいいのだけど、無理だなあ。元気がよくて力があって、責任感のあるジャーナリストが出てくることを期待します。桜井よし子さんも面白いけど、もうちょっと野蛮な人が出てこないとなあ。
えー関係ない話題でした。
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