銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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カタログ説明文・赤瀬川「目利き」

   

と、いうことで、今はカタログ説明文を書いている。メルマガもこれから書く。もう土日祝日はお仕事、というペースが身についてしまった。まずい。

 

美術館にも行きたい。あ、これも仕事みたいだけど、家族サービス、を混みでできるところがいい。家族はややメーワク気味だけど。

 

イヤマさんのように、画廊もいくべきだろう。ただ私の仕事は物故作家が主であるので、必然性にかられない。しかし視野が狭いのはよくない。

 

そうそう、それでですね、カタログの出来はナカナカよい。手前味噌だけど。わざと、おんらいんぎゃらりいには載せていない作品もある。ぜひ「おんらいんぎゃらりい」「アートオフィスJC」のページで予約して欲しいです。よろしくお願いします。面白いものにします!

 

ところでですね、今会社の蔵書としてイヤマさんが買ってきた赤瀬川原平の文庫本「目利き」を読んでいる。電車の行き帰りに。これがすこぶる面白い。

 

「目利き」は、書画骨董のみならず、あらゆる人があらゆる場面でやっているはず、というエッセイが入っている。そうおもいまーす。

 

で、実は美術商の目利きは人の目利きも入っていると思う。これはあらゆる仕事(主婦も含めて)の人がやっていることで、ことさら言うことではないけれど、お客様にせよ、同業者にせよ、この人は信用できる人かどうか、ということは重要である。同時に、当然、お客様・同業者さんからも、コイツ信用できるのか、と見られているはずである。美術品に贋物が多いのはご存知のとおりだが、めちゃくちゃなオハナシもこの業界には多い。イトマン事件などはその典型ですけれど。たとえば、画商が見て100万の絵を委託で一億で売ってくれ(これは架空の数字ですけど)、とかね。父はカンカンになって怒って、お客さんがあわててなだめた、という場面もあった。

 

また同業者にしても、信用のない人と取引することは考えられない。何かトラブルがあっても、誠実に対応する相手じゃないと、売るのも、買うのも怖い。

 

で、相手がどんな人か、よくよく見ないと、本当に火傷をすることがあると思う。でも、一方で、「人は見かけによらない」とか「掛け軸は箱が駄目だから駄目とは限らない」ということも肝に銘じておく必要があるので、人生はつねにつねに新しい。経験は生きるが経験がすべてではない。って私が言っても説得力ないが、父は自己主張が苦手なので、ワタクシが勝手にここで表現してしまう。

 

あれ、本の紹介をするつもりがまた話がずれたかな。

この本では、オウムのこと(例のサリンの)への考察も入っていて、興味深い。アタマ偏重の社会がオウムを生んだ、と書いてある。彼らには文化というものがすっぽりない。はりぼての仏像。で、満足してしまえる感性。ああ、でも日本ソノモノですよね、それって。日本のパロディみたいな。

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