小林古径展
私はまだ未見なのだが、「秋華洞」おすすめの展覧会として、「小林古径」展をご紹介しておきます。
小林古径は、「線」の作家だと思います。
色面で画面を塗りつぶす事が「西洋絵画」の伝統であるのに対して、日本画は、「字」を書くのと同じ筆で描く「線」で構成される、ということがそもそもの原点でありました。とすれば、日本画の伝統のなかで、古径だけが「線」の作家であった、というのは一見言いすぎかもしれません。
けれども、明治以降の作家がすべて直面した「日本画の近代化」、というテーマに向き合うなかで、古径が選んだ道は、やはりあくまで、「線の日本画」、であったということが、強調されてもいいように思います。
そのことを象徴するのが有名な古径の言葉
「線は決定的でなくてはいけません」
でありました。これは古径が弟子に言った言葉とされているのですが、生きた線をひくということが以下にクリティカル(決定的)なことでなければならないか、ということにきわめて自覚的であった、ということでしょう。
額装絵画がどうしても流通に乗りやすく、額に生える色面構成がほとんどになった現代日本画ですが、線に気迫をこめて書いた「日本画」の息詰まる緊張感を味わうのに格好の展覧会ではないかと信じます。
私も足を運んで、もう一度報告するつもりです。
近代日本画の名匠 小林古径展
会場 東京国立近代美術館
(東京都千代田区北の丸公園3?1)
東京メトロ東西線竹橋駅1b出口 徒歩3分
2005年6月7日(火)?7月18日(月・祝)
開館時間 午前10時?午後5時
(金曜日は午後8時まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
休館日 月曜日休館(7月18日は開館)
休館日 月曜日休館(7月18日は開館)
主催 東京国立近代美術館、日本経済新聞社
問い合わせ先 TEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
観覧料 一般 1200(800)円
観覧料 一般 1200(800)円
大学生 900(600)円
高校生 500(350)円
小・中学生無料
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