銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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今日も交換会

   

本日も交換会。今日は交換会のうちもっとも質の高い会である。

 

会には幾通りかある。

 

個人が主催する会、会員全員が主催する形の会、何人かの会主が共同して主催する会。

 

本日は個人会だが、非常に素敵な会主で、実力もあり、当然人気があり、人もモノも集まる。一般には非公開であると同時に、業者でも、かなり信用度の高い人でないと参加できない。他にいくつかレベルの高い会はあるけれども、まったくの新規参入だとここまでたどり着くまでが大変だと思う。私は父の業界での「顔」のあとをヨタヨタついていくことで参加させてもらっているだけである。

 

それは兎も角、今日はこれといって名品は出なかった。とはいえ、そこそこ高いものはでる。傾向として一部の人気作家だけ高い。ごく一部に集中した人気である。やや景気が上向いているから、値上がりの傾向はあることはあるのだろうけれども、なんでもあがるのではなく、あがるものはあがるが、他は横ばいだろうか。単純に知名度が一部に集中してしまうせいだと思う。値の動きのことはともかく、いいものを紹介していって、いろんな作家のものを見直していただけるようにしたいと思います。

 

私どもも少し売り物をする。そして二点仕入れました。今尾景年の軽いものと、ある人形作家の書。たぶんいずれ、みなさんにお見せできると思います。

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(写真は、作品撮影とアップロードそのほか事務に追われながらも愛想をみせる猪山)

一方、会社では、会長出張の間にいささかたまっていた査定依頼の処理に追われて、作品のアップがゆっくり気味か。それでも、本日「森狙仙」の猿の軸がアップできる。江戸期のものを秋華洞に掲載したのは初めてだと思う。

 

江戸時代の日本画掛け軸は、真贋問わず駄目なものが大量にあり、中間の佳作がそこそこあり、画集や展覧会に出品されるクラスのものが少しだけある。その幅は100円から数千万位まであると思いますけれども、やはりこれも上下の幅が著しい。

 

今回の森狙仙の軸は、そうした意味では佳作の部類といえると思います。ちょっといいでしょ?

 
森狙仙

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