銀座の画廊<秋華洞>社長ブログ

美術を通じて日本を元気にしたい! 銀座の美術商・田中千秋から発信—-美術・芸術全般から世の中のあれこれまで。「秋華洞・丁稚ログ」改題。

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所定鑑定人

   

今日は「おんらいんぎゃらりい秋華洞」がらみで「美術家・所定鑑定人」一覧の原稿を作りました。

「所定鑑定人」というのは実は、美術商の業界用語であって、必ずしも一般に流布している用語ではありません。

ようするに美術業界で慣例的に有効と見なされる、鑑定人(機関)の事を「所定鑑定人」というのです。

鑑定人には、自称鑑定人であって、はっきりいって、信用度の低い人から、非常に厳しい鑑定をする方、また美術倶楽部や日動画廊など、幾分「公的」な正確を持つ団体など、さまざまで、非常にいざ整理するとややこしい。

しかも、ひとりの作家に複数の鑑定家がいる場合、作家が亡くなってからまもなく、鑑定家がはっきりしない場合、あるいは、鑑定家が亡くなって、鑑定士が不在状態(たとえば現在の木村武山、菱田春草)の場合など、細かく云えば実は泥臭い事も含めていろいろある。

いろいろあることをあまり細かく書いていても実用に服さないので、一応各種年鑑類やら人に聞いたりしながら一応の形はまとめてみたが、やはりこれは弊社版「所定鑑定人」ということになりましょう。ではどこかに正式所定鑑定人一覧があるかといえばそうではなく、またでは所定鑑定人など意味がないかといえばそうでもない。

「人間が」鑑定するのであって、しかもこれには「手間賃」やら「権威」などの泥臭いテーマもからんで、ぱしっと割り切れないのは、そうですね、野球の審判と同じようなものでございましょうか?ちょっと違うかしら。。

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