寺島紫明の作品
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兵庫県明石市に生まれる。本名徳重。明治32年明石尋常高等小学校に入り、この頃からスケッチを好み、源氏物語など日本文学に親しむ。大正2年、鏑木清方に師事。伊東深水・山川秀峰とともに三羽烏と言われ、美人画に特徴がある。重厚さとふくよかな曲線美で女性の色香を豊かに表現する。女性の情念と肉体に焦点を置き、その密度の高さと女性の情趣を独自の筆致でうまく表現した。特に上方美人が多く、舞妓・芸者、富裕層の令嬢・夫人などを画題とした。その美人画は顔の表情に全神経を注ぎ、着物は意外と大雑把に描かれている。ほのぼのと匂やかな色彩と、制作にあたってモデルを用いないというデッサンのよわさが紫明画の特徴ともいえる。帝展・新文展・日展で活躍。昭和45年、日本芸術院恩賜賞を受賞。