カミーユ・コロー

19世紀のフランスの画家。生涯独身を貫いた。パリの裕福な服地商人の家に生まれ、父の跡を継ぐため家業を手伝いながら、夜は画塾で絵を学んだ。父がヴィル・ダヴレーに別荘を購入すると、彼は一部屋をアトリエにして、休みには制作に打ち込んだ。26歳で画家になる決心をし、アカデミー派の画家ミシャロンに、次いでベルタンに弟子入りして、その後イタリアへ旅立ち約3年を過ごす。豊かな光に満ちたイタリアで熱心に勉強に取り組む。後年さらに2度イタリアを訪れた。ヴィル・ダヴレーやフォンテーヌブローだけでなく、フランス各地を訪れて様々な風景を描いた。しっかりと自然を捉えながら描いたことや、明暗のはっきりした光の表現は、印象派やそれに続く世代に大きな影響を与えた。晩年には、写実表現の上に立ちながらも、叙情的で夢想的な風景を描いた。肖像画や人物画にも多くの傑作を残す。コローは、ミレーやテオドール・ルソーなどの画家と親交があり、バルビゾンで作品を描く事も多かったので、バルビゾン派の一人に数えられている。また、晩年にはドーミエなどの貧しい画家に援助を与えていた事でも知られ、多くの画家から慕われていた。