呉昌碩
ごしょうせき中国近代の書画家、篆刻家。詩・書・画・篆刻ともに精通し、「四絶」と称賛され、中国近代でもっとも優れた芸術家と賞賛されている。初名は俊、のちに昌碩と称した。浙江省安吉の人。
名家に生まれるが、17歳の時に太平天国の乱に巻き込まれ、一家離散の憂き目に遭って湖北・安徽省を流亡。しかし苦しい生活のなかでも勉学は怠らず、篆刻や文字訓詁を熱心に学んだ。
29歳になると杭州・蘇州・上海等に出て、広く師友を求める。仕官を望まず、学を深めながら大勢の師友を得たことで、識見を広め、書へも領域を広げて技量を伸ばしていった。
以後、書や篆刻を売りながら細々と生計を立てたが、50歳に至って任伯年に師事し、本格的に画を学ぶ。やがて上海の富裕層が彼の画を好んで買い始め、その名が世に知られ始めた。
日本でも長尾雨山や河井 廬によって紹介され、大正11年に大阪高島屋で展観が行われてからは書画愛好家の間でも関心が高まり、「中国最後の文人」として広く注目を集めた。
呉昌碩(ごしょうせき)査定のポイント
明治から昭和初期にかけて、呉昌碩を代表とする文人画家は日本で広く受け入れられまた尊敬されて、生きた存在でした。今もまだまだよい作品が日本のお宅に残っているものと思います。
私どもの家系では、長い間、呉昌碩作品を販売してまいりました。是非ご売却の際には弊社にご相談下さい。
呉昌碩 査定のポイントについて詳しく解説します
POINT 1
高く売れる図柄
呉昌碩は近代の中国画家を代表する存在です。書、画だけでなく、篆刻、詩にも精通した中国文人本来の芸術を全うした最後の人ともいえます。
ですので、画風は「書画一体」、すなわち、書も絵画も同時に大事にする作風で、書だけ、絵だけの作品もありますし、しばしば絵の中に落款などの形で書が織り込まれています。
ただ評価としては、一般論として書よりも絵の方が評価は高く、当然大きな作品の方が高いです。また、水墨のみの作品もありますが、やはり色が使ってある作品のほうが好まれます。また、中国絵画の特徴として、松竹梅、藤、人物、桃など、典型画題がありますが、桃はなんといっても縁起がよいものなので、人気も高いです。比較的構図が複雑で、書も豊か、色も豊かな作品ほど好まれると言えるでしょう。
POINT 2
偽物について
呉昌碩は昔から人気画家なので、贋物も極めて多く、また当然複製の類も少なくありません。筆つきが稚拙な簡単に見分けがつくものもありますが、簡単に結論が出ないものも多いのが現実です。
一般論として、箱書きがきちんとしているもの、表具が洗練され大事にされてきたものはよいものが多いですし、反対に表具がない、または安っぽい、状態が悪い、などのものは絵自体も駄目な場合が少なくありません。
また戦後に中国で購入した、あるいはいただいた、という場合は殆ど贋物、複製の事例が多いです。
POINT 3
制作年代と評価
呉昌碩の場合、評価はともかく、年代によって描き方や考え方が微妙に変化し、描き方で年代が推定できる場合があります。比較的晩年の成熟した画風を評価したいところですが、それよりは画題出来栄えの評価の方が大きいかもしれません。
呉昌碩の作品例一覧
呉昌碩作品の相続
秋華洞では、呉昌碩作品の買取だけでなく、相続査定評価書の作成も行っています。
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