千住博
せんじゅひろし現代日本画家。慶應義塾高等学校を経て、東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻博士課程修了。卒業とともに個展、展覧会で精力的に作品を発表。平成10(1998)年には大徳寺聚光院別院襖絵を手掛け、4年後に完成。
平成19(2007)年には京都造形芸術大学学長に就任している。日本画を国際性ある芸術領域にすべく、現代日本画のあり方を日々問い続け、作品制作のみならず講演や著述等を通して幅広い活動を行っている。
千住博作品の査定のポイント
その作家それぞれに評価額が決まるポイントがあります。
作家が人気が高まり、広く知られる要因として、独自のモチーフ、テーマを持っていることが挙げられます。
千住博の場合、「ウォーターフォール」というひと目見たら忘れられないインパクトあるモチーフは今も人気を集め続けています。
額絵、版画もデパートや画廊で盛んに展示、販売されますが、羽田空港第二旅客ターミナルのパブリックアートを目にしたかたも多いでしょう。
【テーマ・図柄】Q:高く売れる図柄はありますか?
美術品は描いてある図柄によって、評価が大きく変わります。やはりその作家の人気テーマのほうが評価額も高いものです。
千住博の場合、人気が高いのはやはり「ウォーターフォール」シリーズ。
しぶきを上げて落ちる滝を描いたこのシリーズは千住の代表作であり、世界的にも評価の高い作品です。
千住先生は、初期は黒地に白い滝のシリーズを描いていましたが、後にカラーフォールシリーズ
、すなわち赤は青などの色つきの滝という自然の色から一旦離れた色付きのシリーズを発表しました。
しかしやはり白い滝のものが人気で、若干評価が高い傾向があります。
ウォータフォールシリーズが高い評価なのは、先生がこの作品でヴェネチア・ビエンナーレを名誉賞を受賞したという事実が
大きいといえるでしょう。
その他、タイドウォーターシリーズ、桜シリーズ、朝の光の中に鹿の出てくる「森」シリーズなどがよく知られています。
評価は変動要素もありますので、お問い合わせ下さい。全体としては、近作ほど評価が高い傾向があります。
ごく初期の建物を描いたシリーズや、人物画など、本来画風モチーフとも幅広いのが千住博の仕事ですが、
画業が深まり、自然をモチーフとした壮大で透明感のある作風のものが特に評価が高くなると言えるでしょう。
【シルクスクリーン・リトグラフ】Q:版画作品でも評価してもらえますか?
シルクスクリーンやリトグラフの作品であっても評価額をお出しできます。
千住先生の場合、こうした版画作品も人気があります。やはりこのジャンルでも、ウォータフォールが人気です。
【サイズ】Q:作品は大きければ大きいほど評価額も高くなりますか?
よく号あたりいくらという美術関係の本がありますが、「号あたり」価格は売買の実態とは必ずしも一致しません。
ですが、全体として千住作品の場合、やはり大きいものほど高評価ではあります。
実際の大きさをお伝えいただければ、現在の適正評価をお出しします。
【鑑定書】Q:鑑定書がありません。取ってから持ち込んだほうが良いですか?
千住博の場合、現役のアーティストですので、鑑定証は必要ありません。
一般的には、額裏に「共シール」と呼ばれる、題名と署名を記した紙が貼付してあります。
それも併せて判断すれば、真贋について問題になることは少ないですが、
万が一出所が不明の作品などありましたらお伝え下さい。きちんと調査いたします。
【額】Q:額は評価に影響しますか?
額そのものは査定評価額の対象にはなりません。ただし、上記にもあるように「共シール」は千住博作品を高く評価する上で重要な要素です。
額の裏に共シールが貼られていましたら、こちらの写真もお送りください。
また、額が評価と直結するわけではないものの、作家ごとに、額装にはこだわりがある場合があります。
千住先生も例外では有りません。そのあたりは私どもでチェックいたします。
千住博の作品例一覧
千住博作品の相続
千住作品の場合、エントランスや応接向けに企業が購入している場合も多いようです。
絵画骨董買取プロ・秋華洞では、千住博作品の買取だけでなく、相続査定評価書の作成も行っています。
相続や企業様の美術品評価が必要な場合はお気軽にご相談ください。
千住博の査定は絵画骨董買取プロにお任せください
日本画というものを世界の文脈に載せた初めての画家が千住博であったと思います。
「滝」を「どこそこの滝」という観光絵画から、「滝そのもの」あるいは自然そのものの絵画、
というところに押上げたのが千住博という作家が日本画という伝統を用いながら普遍性をもたせた秘密ではないでしょうか。
その後も、千住先生は、日本的なもの、自然そのものを基本モチーフにしながら、
世界の誰もが直感することのできる象徴として描く仕事を続けてきました。
今は世界性を持つ若手も少しずつ増えてきましたが、千住先生のしごとの評価はこれからも高く評価されていくことでしょう